今年の凱旋門賞が終わりました。
今年は日本からサトノダイヤモンドとサトノノブレスの2頭が参戦。

期待を集めましたが15着、16着に惨敗。
昨年のマカヒキの14着を下回る結果となりました。

これまでのべ22頭の日本馬が凱旋門賞に挑戦し日本馬は2着4回が最高成績。
届きそうで届かない日本馬の凱旋門賞制覇。

日本競馬の悲願でもある凱旋門賞制覇は何故なかなか達成されないのでしょうか。

その要因として考えられるのは日本の馬場と欧州の馬場の違い。
人工的に作られた日本の馬場とは違い、欧州の馬場は自然の地形・地盤をそのまま生かした馬場。

芝の長さ、種類から地盤の水捌けまで何から何まで違います。
日本の馬場はかなりの雨が降っても排水システムが素晴らしいので雨が止めばすぐに馬場は回復します。

一方の欧州の馬場はちょっと雨が降っただけでかなりの重馬場に。
しかも馬場は一度渋ると雨が止んでも馬場はなかなか回復しません。

良馬場でもタフな馬場が一雨降るだけでとんでもない道悪になるわけです。

イギリスのダービーを参考に創設された日本ダービー。
日本ダービーの平均的な勝ち時計は2分23秒-25秒台。

最近は高速化の傾向が強まり23秒台も珍しくなくなってきました。

一方で本場イギリスのダービーは常に2分30秒台。
距離が微妙に違う点を考慮しても毎年10秒近い違いがあるわけです。

同じ芝の競馬であっても全く別の競馬とも言える日本競馬と欧州競馬。
年々高速化しつつある日本競馬に対し、ずっと勝ちタイムが変わらない欧州競馬。

この馬場の違いが日本馬の欧州での活躍を阻んでいると言えそうです。

欧州で苦戦する一方で香港やドバイでは比較的好成績を収めている日本馬。
これは香港やドバイの競馬場も人工的に作られた馬場で日本に近い馬場であるためでしょう。

馬場の違いという点では日本とアメリカのダートの違いも同じ。
日本のダートが砂状なのに対し、アメリカのダートは土状で粘土質。

これまたまったく別物と言える馬場で日本馬がアメリカダートでまったく成績が出ない原因でもあります。
※逆にアメリカ馬が日本で走っても全然ダメ。。。

それだけ馬場の違いというのは大きく、もはや別条件と言ってしまっても言いくらいです。
まぁ、ダートの場合はアメリカが本場で日本のダート馬は2流という違いもあります。

では日本馬が凱旋門賞で勝つにはどうしたらいいのか。
これまで凱旋門賞で好走した日本馬は4頭。

オルフェーヴルが2着2回。
エルコンドルパサーが2着。
ナカヤマフェスタが2着。
ディープインパクトが3着(のちに失格)。

ご存知の通り、オルフェーヴルとディープインパクトは3冠馬。
まさに日本では怪物級に強い馬でした。

しかもどちらも道悪OKだった馬。
梅雨時に行われる宝塚記念を勝っていたという共通点があります。

エルコンドルパサーもこれまたちょっと変わった馬でデビューはダート。
3戦目まではダートを使われ連勝していた異色の馬。

それでいてNHKマイルCや3歳でジャパンカップを勝つ能力。
加えてオーナーが凱旋門賞で勝つために配合した馬。

4歳の春から欧州に遠征し、凱旋門賞へ向けて現地で調整し馬を欧州に慣れさせたという経緯があります。

そうなると一番参考になりそうなのがナカヤマフェスタ。
この馬もやはり宝塚記念の勝ち馬。

そしてオルフェーヴルと同じステイゴールド産駒。
同じサンデー系でもディープ産駒とステイゴールド産駒ではタイプが違い、
欧州の馬場にはステイゴールド産駒のほうが合っていると言えそう。

昨年のマカヒキも惨敗しているようにディープ産駒はどうも欧州の馬場とは相性が悪そうです。
陣営としては自厩舎で一番強い馬で遠征したいという思いがあるのでしょうが。。。

先ほども書きましたが日本の馬場と欧州の馬場は別物。
日本で強いからと言って欧州でも走るとは限らないということが言えます。

とはいえ凱旋門賞を勝つために欧州系の血統を導入すると今度は肝心の日本で勝てなくなる。
※ラムタラが日本で大失敗したのが印象的です。

過去に凱旋門賞馬がジャパンカップに参戦していますが勝った馬はゼロ。
日本馬が凱旋門賞で勝てないように凱旋門賞馬もジャパンカップでは勝てていません。

それでは凱旋門賞で日本馬が勝つためにはどうしたらいいのか?
一番現実的に思うのは遠征する馬のタイプを選別する。

まずはディープ産駒ではなく、ステイゴールド、キンカメ産駒など長くいい脚が使えるタイプ。

高速馬場が苦手でも道悪が得意で宝塚記念を勝つ力がある。
しっかり現地の前哨戦を使う。

凱旋門賞を勝ったことがある騎手を乗せる。
血統面で違うタイプの馬を複数頭出走させる。

こんなところでしょうか。

また非現実的な案としては日本の競馬場の個性化。
最近の日本の競馬場は馬場造園課の技術が上がり過ぎてどこの競馬場も高速馬場。

かつてのような競馬場ごとの個性がなくなり、
ますます日本競馬のガラパゴス化が進んでいます。

そこで競馬場ごとに個性を出す。
例えば東京と京都の馬場は芝もダートもこれまで通り。

今後も日本の技術を結集して馬場造園課の皆さんにはとことん高速化を目指してもらいましょう。

一方で阪神と中山の芝は欧州のような地盤をいじらない自然の馬場に改修。
日本の競馬場は高低差がないのでこれまでの芝より5秒くらい時計がかかるイメージでしょうか。。。

そしてダートもアメリカと同じ粘土質のダートに変更。
こちらは逆にダートが高速化するはずです。

こうすることで競馬場ごとに個性が生まれ、馬場適性も多様化。
競馬場によって活躍する種牡馬のタイプも変わってくることが予想されます。

そしてこのような個性の違う馬場で3冠を獲るような怪物が現れたら。。。

素人がいろいろと書いてしまいましたが一日も早く日本馬が凱旋門賞を勝つことを祈っています。