今年は10月28日(日)に東京競馬場で行われる天皇賞秋2018(GI)。

秋の中距離チャンピオンを決める伝統の一戦です。

昨年は1番人気だったキタサンブラックが出遅れ+不良馬場をものともせず見事に優勝!!

武豊騎手の見事な騎乗ぶりが話題になったレースでもありました。

キタサンブラックが引退した今年の天皇賞秋は絶対的な中心馬が不在。

スワーヴリチャードが人気の中心になりそうですがレイデオロやマカヒキなどダービー馬たちの存在も気になるところ。

内枠有利の東京2000mは思わぬ波乱もある一癖あるコース。

今年の天皇賞秋はどのようなレースとなるのでしょうか。

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◇天皇賞秋(GI、芝2,000m、東京)出走予定馬(枠順)

1-1 ステファノス 58.0 C・オドノヒュー

2-2 ブラックムーン 58.0 横山典

3-3 ヴィブロス 56.0 福永

4-4 レイデオロ 58.0 C・ルメール
4-5 スワーヴリチャード 58.0 M・デムーロ

5-6 マカヒキ 58.0 武豊
5-7 アルアイン 58.0 北村友

6-8 ダンビュライト 58.0 戸崎
6-9 サングレーザー 58.0 J・モレイラ

7-10 キセキ 58.0 川田
7-11 ミッキーロケット 58.0 和田

8-12 サクラアンプルール 58.0 田辺
8-13 アクションスター 58.0 大野

毎年豪華メンバーが揃うことが多い天皇賞秋。当初のメンバーからはワグネリアン、ダノンプレミアムなどの有力3歳馬が回避となりましたが、それでもGI馬が7頭と今年も中距離王者を目指し豪華メンバーがこのレースに進めてきました。

今年はマカヒキ、レイデオロ、ワグネリアンと3頭のダービー馬が顔を揃えると注目を集めていましたが、残念ながらワグネリアンの回避で3世代のダービー馬対決は幻に。ただ、2世代のダービー馬対決は実現。ダービー馬同士の対決は今年の天皇賞秋の話題のひとつとなりそうです。

東京2,000mという特殊なコース形態で行われるため、枠順による明暗が毎年分かれることでも知られる天皇賞秋。今年はどのようなドラマが生まれるのでしょうか。

今年の天皇賞秋で人気の中心になりそうなのがスワーヴリチャード。マイル戦に果敢に挑んだ前走の安田記念では1分31秒3の高速決着の前に惜しくも3着。

ここまで時計が速くなるとさすがに最後はマイル適性の差が出てしまった印象。本来は中長距離が主戦場であるスワーヴリチャードにとっては結果的にやはりマイルはやや忙しかったと言えそうです。

それでも高速決着の中、3着まで来られたのは東京コースとの相性が良い証拠。右回りの大阪杯でも勝ちましたが、スワーヴリチャードがもっとも力を発揮できるコースは左回りであることは間違いありません。

そういう意味では東京2,000mで行われる天皇賞秋はこの馬にとっても申し分ない舞台設定。陣営にとってもここは是が非でも欲しいタイトルでしょう。

秋は天皇賞とジャパンカップが目標となるスワーヴリチャード。ローテーションを見ても最大目標はより条件が向くジャパンカップでしょうが、天皇賞も譲れないタイトル。

ぶっつけでのレースになりますが休み明けでも実績のある馬。このところは重賞でルメール騎手にやられっ放しのデムーロ騎手もここは気合が入っているはず。枠順も4枠5番と問題なく、この馬が今年の天皇賞秋の主役になることは間違いなさそうです。

ドバイ遠征以来となった宝塚記念では4着だったヴィブロス。敗れはしましたが牡馬相手に阪神内回りでこの結果なら内容としてはそこまで悪くないものでした。

秋は天皇賞秋に直行するローテが組まれました。天皇賞は休み明けでのレースとなりますが前走からの距離短縮、左回りに替わるのは間違いなくプラスでしょう。

ドバイで結果を出している馬だけに同じ左回りの東京の2000mなら牡馬相手でも互角の走りを見せてくれるでしょう。ただ、昨年は休み明けだった府中牝馬Sで2着に敗れているだけに休み明けでの牡馬相手のGI挑戦には一握の不安も残ります。

今秋は天皇賞⇒マイルCS⇒香港マイルの3戦を予定。香港マイルが引退レースとなる見込みです。

なお、二転三転していた天皇賞秋の鞍上は福永騎手に決定。当初予定されていた福永騎手はワグネリアンに騎乗するため、岩田騎手とのコンビが発表されていましたが、ワグネリアンが回避したため再び福永騎手に落ち着いた模様。

ドタバタが続いていましたが結局は当初の予定通り福永騎手が騎乗することになりました。今年ダービージョッキーになった福永騎手の騎乗に注目です。

レイデオロは昨年のダービー馬。昨年のジャパンカップでも3歳馬ながらキタサンブラックに先着し2着に入りました。

この2戦の走りを見てもレイデオロの力を最も発揮できるのは東京2,400mであるのは明らか。天皇賞秋では2,000mの距離がひとつのポイントとなりそうです。

秋はオールカマーで復帰し、そのオールカマーでは見事にダービー以来となる勝利。今年に入ってからは京都記念3着、ドバイシーマC4着と一息の競馬が続いていましたが、復活を印象付けてくれました。

天皇賞秋では期待された弟のレイエンダとの兄弟対決は実現しませんでしたが、レイデオロにとっては天皇賞秋も手にしておきたいタイトル(※レイエンダはチャレンジCへ)です。1週前追い切りでちょっとしたアクシデントがあったものの、日曜日に坂路を55.0秒を駆け上がり、最終追い切りも南Wでしっかり消化できたのでアクシデントの影響はなさそう。

秋の大目標は恐らくジャパンカップですが天皇賞では休み明けをひと叩きされた上積みも期待できます。枠順も4枠4番といいところを引いたので、ここでもダービー馬らしい走りを見せてくれそうです。

今年の京都記念の調整中に骨折が判明したマカヒキ。昨年のジャパンカップで6着に入り、復調気配を見せてきた矢先での戦線離脱でした。

復帰戦となった札幌記念では惜しくも2着。一旦直線で先頭に立ったものの、最後はサングレーザーにハナ差競り負ける結果となりました。

それでも最後に脚が上がったのは骨折休み明けの分でしょう。前走は本格復活を印象付けるのに十分な走りだったと言っていいでしょう。

決して条件が合っているとは言えない札幌での激走。今度は舞台が東京に替わるのはマカヒキにとっては間違いなくプラス材料。

休み明けをひと叩きされた上積みも見込まれ、天皇賞秋ではダービー以来となるGI勝利が期待されます。ダービー馬の完全復活がなるのか、今年の天皇賞の見どころのひとつとなりそうです。

そのマカヒキは天皇賞秋で武豊騎手とコンビ。武豊騎手が金子オーナーの所有馬で芝GIに挑むのは何と10年ぶりとのこと。かつての黄金コンビの久々の復活。金子の勝負服を身にまとった武豊騎手がマカヒキでどのような騎乗を見せるのかも注目を集めそうです。

札幌記念でマカヒキ以下GI馬3頭を破ったのがサングレーザー。これまでマイル前後で結果を出してきていたので、2,000mへの距離延長が心配されましたが見事に距離を克服しての会心の勝利でした。

この勝利で今後の展望が大きく広がったサングレーザー。陣営は天皇賞秋へ駒を進めてきました。

もともと末脚が武器の馬なので直線の長い東京コースは願ってもない舞台。天皇賞でもうまく脚をためる競馬ができれば直線では鋭い末脚を見せてくれるでしょう。

札幌記念で手綱を取った福永騎手がヴィヴロスに乗るため乗り替わりとなる今回。注目された鞍上はJモレイラ騎手が務めることになりました。札幌記念から相手はさらに強化されますがモレイラ騎手が騎乗するとなれば目の離せない一頭になるのは間違いありません。

ミッキーロケットは宝塚記念で待望のGI初勝利。レースでは内枠を生かし直線で内と突いた和田騎手の好騎乗も光りました。

当初はシュヴァルグラン、サトノダイヤモンドと同じく、秋は京都大賞典⇒ジャパンカップ⇒有馬記念の3戦を予定していました。しかし放牧先での調整の遅れから京都大賞典を回避。秋は天皇賞から始動します。

正直、休み明けで東京の2,000mはこの馬にとっては微妙な舞台。そこまでスピードタイプの馬ではないので苦戦が予想されます。

当初は出走する予定もなかった天皇賞秋ですから、秋の目標はジャパンカップ、有馬記念というところが本音でしょう。

それでも前走でGI馬の仲間入りをした今はGI馬としての走りを期待したくなるのも事実。ただ、枠順は13頭立てとは言え有利とは言えない7枠11番。他の有力馬が比較的内目の好枠に入ったのでなかなか苦しいところ。条件はなかなか厳しい天皇賞ですがGI馬らしい走りが見たいところです。

今年のダービーを制したワグネリアン。鞍上の福永騎手にとっても悲願のダービー制覇となりました。

秋のローテが注目された今年のダービー馬ですが陣営は菊花賞には向かわず天皇賞秋へ向かうことを神戸新聞杯の後に明言。次走は天皇賞に駒を進める予定でした。しかし、前走後に体調が上向いてこないため出走回避が決定。一旦放牧に出し、態勢を立て直すこととなりました。

秋の始動戦となった神戸新聞杯ではエタリオウの追撃を抑えて優勝。天皇賞秋へ向けて順調なスタートを切ったかに思えたのですが。。。思った以上に厳しい競馬だったのかもしれません。

次走は今のところ未定。馬の状態次第になるとのことですがコース適性を考えれば有馬記念よりもジャパンカップに間に合わせたいのが本音でしょう。

ダービーでは1番人気に支持されるも6着に敗れたダノンプレミアム。レースがスローで流れたにも関わらず、直線で思ったほど伸びなかったところを見る限り、やはり距離が長かった印象です。

秋は菊花賞には向かず、天皇賞秋を目標に調整されていましたが体調が整わず天皇賞秋の回避が決定。気になる次走ですが現在のところ未定となっています。

同世代のライバルであるワグネリアンも回避し、結果的には3歳馬の有力馬が今年は揃って回避することに。2頭の再戦も幻となってしまいました。ダノンプレミアムの距離適性を考えるとジャパンカップというのは考えづらく、マイルCSあたりを目標に調整されるのが現実的でしょうか。

ディアドラは府中牝馬Sを目の覚めるような末脚で勝利。東京の高速馬場にも対応し、進化した姿を見せつけました。

天皇賞秋には登録がありますが結局回避。今後は最大目標である香港カップに向けて調整されることになります。状況次第では香港カップ前に一戦挟む可能性もあるとのことですが現状では直行するローテが有力のようです。

今年は2頭の外国馬が選出された天皇賞秋。しかし結局出走馬はゼロ。今年も日本馬だけでレースは行われます。

◇天皇賞秋、有力馬追い切り情報

◇スワーヴリチャード
【最終追い切り】
10/24:栗東CW(良)
6F:82.7-67.1-51.4-38.0-12.8(デムーロ/馬なり)
※内ドンアルゴスと1F併せで0.2秒遅れ
※中アルテヴェルトと1F併せで0.2秒遅れ

【1週前追い切り】
10/18:栗東CW(良)
6F:78.8-62.4-49.1-36.0-11.9(デムーロ/馬なり)
※内ドンアルゴスと4F併せで0.8秒先着

◇レイデオロ
【最終追い切り】
10/24:美浦南W(稍)
5F:67.9-52.1-38.2-12.7(ルメール/仕掛け)
※外ドラゴンストームと1F併せで0.1秒先着

【1週前追い切り】
10/17:美浦南W(稍)
5F:71.5-56.1-42.1-13.9(五十嵐/馬なり)

◇ヴィブロス
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:56.4-41.3-26.4-12.9(助手/馬なり)

【1週前追い切り】
10/18:栗東坂路(良)
4F:52.9-38.7-24.9-12.1(福永/馬なり)
※外ジュンスパーヒカルと併せて0.4秒先着

◇マカヒキ
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:54.9-40.6-26.7-13.4(助手/馬なり)

【1週前追い切り】
10/18:栗東CW(良)
6F:80.2-64.8-50.4-36.6-11.5(武豊/一杯)
※外トリコロールブルーと1F併せで0.4秒先着

◇ミッキーロケット
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:53.2-38.2-24.5-12.3(和田/馬なり)
※内ダンビュライトと併せて0.2秒先着

【1週前追い切り】
10/18:栗東坂路(良)
4F:50.9-36.6-24.0-12.0(和田/一杯)
※内レッドラウダと併せて0.6秒先着

◇アルアイン
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:51.5-37.5-24.5-12.1(北村友/馬なり)
※外サトノノブレスと併せて併入

◇キセキ
【最終追い切り】
10/24:栗東CW(良)
5F:67.7-52.6-38.1-11.6(助手/一杯)

◇サングレーザー
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:58.4-41.5-26.0-13.1(助手/馬なり)

◇ダンビュライト
【最終追い切り】
10/24:栗東坂路(良)
4F:53.5-38.4-24.7-12.5(助手/馬なり)
※ミッキーロケットと併せて0.2秒遅れ

◇天皇賞秋 昨年のレース映像

◇天皇賞秋 過去10年の結果

【2017年】
1着 7.キタサンブラック
2着 2.サトノクラウン
3着 8.レインボーライン

【2016年】
1着 8.モーリス
2着 12.リアルスティール
3着 14.ステファノス

【2015年】
1着 8.ラブリーデイ
2着 14.ステファノス
3着 16.イスラボニータ

【2014年】
1着 4.スピルバーグ
2着 1.ジェンティルドンナ
3着 15.イスラボニータ

【2013年】
1着 7.ジャスタウェイ
2着 9.ジェンティルドンナ
3着 6.エイシンフラッシュ

【2012年】
1着 12.エイシンフラッシュ
2着 4.フェノーメノ
3着 6.ルーラーシップ

【2011年】
1着 12.トーセンジョーダン
2着 7.ダークシャドウ
3着 8.ペルーサ

【2010年】
1着 2.ブエナビスタ
2着 7.ペル-サ
3着 12.アーネストリー

【2009年】
1着 3.カンパニー
2着 2.スクリーンヒーロー
3着 7.ウオッカ

【2008年】
1着 14.ウオッカ
2着 7.ダイワスカーレット
3着 2.ディープスカイ

東京2,000mで行われるレースということでやはり内枠の馬のほうが優勢。この10年で7枠、8枠で勝利したのは東京専用マシンと言ってもいい08年のウオッカのみ。あとは6枠12番が2勝。1着馬を探すときは6枠から内から選ぶのがセオリーで今年も枠順には注意したほうが良いでしょう。

あと目立つのがリピーター。ウオッカ(08年1着⇒09年3着)、ペルーサ(10年2着⇒11年3着)、エイシンフラッシュ(12年1着⇒13年3着)、ジェンティルドンナ(13年2着⇒14着2着)、イスラボニータ(14年3着⇒15年3着)、ステファノス(15年2着⇒16年3着)という多さ。

昨年の上位3頭はキタサンブラック、サトノクラウン、レインボーラインの3頭。そのうち2頭は引退してしまったので今年は昨年の2着馬であるサトノクラウンが出走してくれば馬券候補の1頭として馬券に加えても面白いかもしれません。

2018年・今後の重賞日程と主な出走予定馬